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米シンギュラー、2006年に複数都市でW−CDMA導入へ米大手携帯電話事業者のシンギュラー・ワイヤレスは2004年6月下旬、携帯電話設備ベンダー各社に対し、UMTS技術による設備構築についての提案要請(RFP:Request For Proposal)を発行したことを明らかにした。また同年7月20日には、2006年にはいくつかの都市で3Gデータサービスを導入すると明らかにした。AT&Tワイヤレスを買収する同社がW−CDMAの本格導入へ具体的な動きを見せたことで、米国におけるW−CDMA導入が足踏みする懸念は払拭された。シンギュラーはすでに2004年5月、W−CDMA技術によるトライアルをアトランタで実施するため、協力ベンダーとしてルーセントを選んだことを発表していた。このトライアルは、2004年夏に内部関係者のみを対象に実施され、音声通信や高速データ通信、マルチメディアサービスなどを試験するとされているが、一部ではルーセント製のカード型端末「Merlin U530」を使用するとも報じられており、音声通信の試験がどのように行われるかは不透明である。またHSDPAの試験も計画し、将来はVoIP対応も視野に入れた設計となるとしていた。ただ、この2004年5月の発表の際に同社のスタン・シグマン(Stan Sigman)CEOは「AT&Tワイヤレスの(3G)導入如何によらず」「広範囲にわたる3G展開は2006年まではない」と発言していた(注:AT&Tワイヤレスは2004年7月20日、デトロイト、フェニックス、サンフランシスコ、シアトルの4都市で商用3Gサービスを開始したと発表した)。 2004年6月の発表では、シンギュラーのラルフ・デ・ラ・ベガ(Ralph de la Vega)COOは、W−CDMA導入は「米国のため真に経済的な機会を創造する」とし「我が社がUMTSを全国で利用可能とするためには、周波数と技術が必要である。周波数はAT&Tワイヤレスの買収で獲得し、技術は今回のRFPが提供する」とコメントした。
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移動パーソナル通信研究グループ チーフ・リサーチャー 岸田 重行 |
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