2005年6月号(通巻195号)
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世界の移動・パーソナル通信T&S
<世界のニュース:トレンドレポート>

2強時代を迎える米国通信市場

 米地域通信最大手のベライゾン・コミュニケーションズが、2005年5月4日に長距離通信2位のMCIを買収することで合意した。地域通信2位のSBCコミュニケーションズも2005年1月末に長距離通信1位のAT&Tを買収することで合意しており、携帯電話事業を含めて米国の通信市場は2強時代を迎えるとみられている。合併後の米国通信市場はどのように変わるのかを考えてみたい。

■通信2強に対抗するケーブルテレビ会社

 ベライゾンとMCIの最終合意によると、買収総額は84.5億ドルで株式交換と現金による支払を組み合わせる。2005年2月14日の合意時点から28%も高くなっている。競合した地域通信4位のクエスト・コミュニケーションズのこの最終時点での提示額97.5億ドルを下回ったが、MCI(企業の歴史上最大といわれる110億ドルの不正会計による破産から昨年復活した)の取締役会は「収益力や財務体質で優るベライゾンとの合併が、相乗効果を引き出し長期的な株主利益を増大させる。」と判断してベライゾンの買収条件を受け入れた。決め手となったのは顧客の反応で、クエストに買収されれば契約を打ち切るという大口顧客(注)が相次いだことだったという。

(注)MCIは世界の150国に6万の大口顧客を抱えている。Verison wins bidding for MCI;Qwest drops out(The Wall Street Journal / May 3,2005)

 SBCの携帯電話子会社シンギュラー(出資比率:SBC60%、ベルサウス40% 非上場)は、2004年10月にAT&Tワイヤレスの買収統合を終えて、業界1位の座を占めている(注)。DSLによるインターネットのブロードバンド接続でもベライゾンを上回り、光ファイバー網を使った統合サービス「プロジェクト・ライトスピード」でも設備投資でベライゾンに先行している。ベライゾンは長距離通信でもSBCに抜かれ、収入規模では1位を維持しているものの、成長分野では必ずしも万全の態勢とは言い難い状況にあった。

(注)米国の携帯電話事業の市場シェア(加入数ベース、2004年末)シンギュラー(出資率:SBC60%、ベルサウス40%)28%、ベライゾン・ワイヤレス(出資比率:ベライゾン55%、ボーダフォン 45% 非上場)24%、スプリント・ネクステル(合併で合意済み)21%、T-モバイルUSA 9%、その他18%

 MCIは最先端のインターネットのグローバル基幹網を保有し、長距離通信やデータ通信分野でも多くの優良企業を抱えている。前掲のウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は、ベライゾン・ワイヤレスが通信市場でドミナントの地位を占めるようになったので、ベライゾンは新たに獲得したMCIの大口顧客に、ベライゾン・ワイヤレス・サービスを卸売で積極的に売り込むことができるようになるだろうと指摘している。また、同社はビデオ・サービスの提供を目指して、光ファイバー網を展開中である。MCIのデータ網はベライゾンの国内長距離、国際通信のトラフィックを運ぶのに大いに役立つだろうとみられている。このことは、SBCとAT&Tの関係についてもいえることであり、これらの合併には相応の合理性とメリットがあると評価している。

米コロンビア大学のエリ・ノーム教授によると、通信市場は高い固定費用と低い増分費用という経済的特性をもっており、総費用が回収できないほどの低価格競争が起き易いという(注)。96年通信 法以後の米国の通信市場は、まさにこのような状況に陥ったのではないか。特に競争の激しい長距離市場では供給過剰(光ファイバーの敷設競争と技術の進歩)による価格の急激な低下と携帯電話やインターネット(電子メールやIP電話など)などの新たな通信手段へ需要が急激にシフトし、市場の縮小が慢性化していた。

(注)Eli Noam:The bursting of the deregulation bubble/The Financial Times(January 8 2003) エリ・ノーム他「テレコム・メルトダウン」NTT出版2005年所収 ノーム教授は、規制撤廃に向けた1996年通信法の施行後、逆に企業の集中傾向が強まっていることが分かったが、それは規制撤廃による不安定さを回避しようと企業に合併の圧力が高まったからで、ドットコムとテレコムのバブル崩壊に続いて、今度は規制撤廃のバブル崩壊が起こるに違いない、と主張していた。それが今回の携帯電話、固定通信事業の大合併(教授によると通信産業は寡占状態にあるほうが均衡が保たれる)かもしれない。

 合併は、市場の支配力を回復させることで価格の回復を図ろうというもので、この問題の解決に役立つことが期待される。しかし、最近では通信会社相互の競争よりも、ケーブルテレビという新たな競争相手が出現し、本来業務のテレビ放送のほか高速インターネットや(IP)電話をカバーする「トリプル・プレイ」で電話会社に競争を挑んでいる。「トリプル・プレイ」を可能にするケーブルテレビのデジタル化投資は、電話会社の光ファイバー投資よりもかなり先行している(注)。高速ネット接続でもケーブルテレビ大手は過半のシェアを握っており、携帯電話事業に参入する動きもある。

(注)米国のケーブルテレビの現時点における加入数は7,320万、そのうち3分の1がデジタル化されている。(Cable,meet TV.TV,meet Cable.:online.WSJ.com / May 23、2005)

 合併で巨大化した2大通信会社が誕生する一方で通信市場の融合が進み、期待したほどの市場支配力を回復できるかは分からない。確実に期待できるのは、合併によってもたらされる規模の利益、つまり人員削減を中心した費用の圧縮だけかもしれない。合併が予定されているスプリント・ネクステルやT-モバイルUSAなどの携帯電話会社、アースリンクやAOL(タイム・ワーナーがスピンオフを検討)などのインターネット・サービス・プロバイダー、ボネージ(IP電話)などの新興通信会社なども2大通信会社の競争相手であるが、確実に強力な対抗勢力となるのはケーブルテレビ会社と目される。消費者団体が心配する家庭向け通信市場での複占化などが起きる余地はなさそうだ。

 MCI買収でベライゾンに敗れたクエストはどうするのか。5月25日に開催された株主総会で、同社のNotebaert CEOは、「クエストは小規模の通信会社との提携、もしくはM&Aを推進していく。規制当局は合併審査にあたって、合併を容認する条件として集中度が高くなり過ぎる事業の分離を条件とするだろうから、その機会に現実性がある。」と述べている(注)。しかし、年間売上高を超える負債を抱え(2005年第1四半期の売上高35億ドルに対し2004年末の負債は173億ドル)、不正経理問題の和解にようやくこぎつけた同社は、合併のターゲットになるだろうという見方もある。

(注)After MCI miss,Qwest aims at other target(washingtonpost.com / May 25,2005)

■ビジネス市場では集中度が高まる可能性

 しかし、ビジネス市場と消費者市場では2強時代の影響が異なってくる。WSJ紙(注)は、この合併は米国のすべての通信ユーザーに影響を与えるだろうが、プロバイダーの数が少なくなれば値下げを獲得するための梃子も少ししか残されておらず、特にビジネス顧客は最大限の変化に直面する可能性がある、と指摘している。

(注)U.S.phone consolidation may cost corp clients clout(The Wall Street Journal/ May 4, 2005)米国のビジネス向け通信サービスのシェア(収入ベース、2004年第4四半期):ベライゾン/MCI28%、SBC/AT&T 26%、クエスト7%、スプリント6%、その他34%

 敗軍の将であるクエストのNotebaert CEOは、家庭向け通信市場の料金は合併後も引き続き競争的だろうが、懸念すべきはビジネス及び政府の市場で、合併後の2強が反競争的複占を形成するだろう、と述べている(注)。前掲のWSJ紙が引用した調査によると、AT&TとMCIに合併の話が起きる以前の時点で、企業がトップ2のプロバイダーから各種の通信サービスの提供を受けていた割合は50%だったが、合併が完了すればこの割合が87%まで高まるという。このような集中度の高まりは、ビジネス市場における重大な価格の衝突を意味するかもしれない、というのが調査の結論であ

(注)クエストのNotebaert CEOによると、SBC-AT&T、ベライゾン-MCIの合併が認められれば、この2強は全米の市内電話回線の63%、携帯電話加入者の半分以上を手中にすることになる、ビジネス・ワイヤーライン市場も実質的にこの2社に再編されるだろうから、これは複占にあたると主張している。(Two telecom behemoth equal one duopoly:The Wall Street Journal / May 16,2005)

 米国の企業、特に大企業顧客は、ほぼ毎年料金の引き下げを経験してきた。しかし、通信2強時代に入った場合、今後もこのような値下げを期待すべきではない。また、その場合の料金に対する影響は、産業と場所によっても異なる可能性があるという。例えば、テキサス州の一部では、シンギュラー・ワイヤレス(SBCが60%の株式を保有)、SBC、およびAT&Tがドミナント企業であり、これらが合併すれば料金は従来の値下げとは逆方向に影響を受けるかもしれない。
ビジネス市場では、ケーブルテレビは多くの電話プロバイダーに対する真の競争者としては存在していないという。米国のケーブル・サービスは家庭にテレビ・サービスを提供する事業として運営されているからである。多数のケーブル会社は、電話サービスを中小規模の企業に提供すべく試行に取り組んでいるが、今すぐにケーブル産業がビジネス向け通信市場で大きな力となることを期待することは難しい、と前掲のWSJ紙(May 4,2004)は指摘している。

 米国のケーブルテレビ会社で、ビジネス向けサービスの販売に一番積極的に取り組んでいるのはコックス・コミュニケーションズである。同社の2004年における企業クライアント向け通信サービスの売上げは4億ドルに近かった。そのコックスでも、フランチャイズ内のすべての商業地域に同社のケーブル・システムが展開されているわけではなく、サービスの提供は限定的である。また、コックス自体も確実に顧客を獲得できるという保証なしに、特定の地域に設備投資をすることを渋っている。

 しかし、ケーブルテレビがビジネス市場の競争相手ではないとしても、競争相手はそれ以外にも多く存在する。複占論者は狭義の通信サービス市場(長距離、音声とデータなど)における合併後の高いシェアを問題にするが、通信のビジネス市場にサービスを供給しているのは既存の通信会社だけでなく、設備メーカー、ソフトウエア企業、アプリケーション・プロバイダやシステム・インテグレータなどである。現在、通信のビジネス市場ではソリューションやオペレーションのアウトソーシングの需要が急増しているからだ。

 ベライゾンによると、競争の進展とIP電話のような一連の新技術が出現した結果、地域電話事業が侵蝕される今日の環境の下では、料金値上げが起きることはないだろうという。「我々が長距離電話会社を買収しようとしているから闘いが無くなるのではない。新技術が長距離通信ビジネスをスタンド・アロンで存在することを不適当にしたから闘いが無くなるのだ」とベライゾンのスポークスマンは主張している。

 ベライゾンもSBCもライバルの長距離電話会社を買収した理由は同じである。つまり、通信サービ スの割引パッケージを売ることができる企業顧客にアクセスすることである。例えば、MCIは現在ワイヤレス・サービス提供しておらず、ベライゾンはグローバル・コネクティビティを提供していない。この2つを従来のサービス・パッケージに追加することは、明らかに大口顧客に価格優位性を提供することになる。これは全ての取引を1プロバイダに集中させることで顧客の利便性を向上させる、いわゆる「ワン・ストップ・ショッピング」である。しかし、それは場合によっては「絞めるべき一つの喉(one throat to choke)でもある(注)

(注)Review & outlook:The antitrust wars(The Wall Street journal / May 11,2005)

 地域電話会社は、そのネットワークを規制された料金で競争相手に提供することを義務づけられているが、その規則の一部の適用(市内回線と交換機能を一体化して高い割引率を適用する)を違法とする決定を昨年FCCが行ったことも、長距離電話会社が最後の望みを託していた競争的市内電話サービスの提供を困難にした。それに対し、SBCやベライゾンは長距離会社のネットワークや大口利用顧客を、比較的安い価格で買収できる能力を持っていた。レイオフによる費用削減の可能性は、両社が比較的少額の追加コストで大きな収益源(例え急激に減少することがあっても)を獲得したことを意味する、と前掲のWSJ紙(May 4,2005)は指摘している。

 AT&Tは20年間もベル地域電話会社と色々な局面で闘い、彼等の市場支配力をチェックする役割を果してきたが、そのAT&Tが消滅するインパクトを憂慮する人達も少なくないという。「この最近の二つの巨大合併で重要なことは、ベル電話会社に反対する最大のプレイヤーを、ワシントンの交渉テーブルに着けないはるか遠くへ連れ去ったことである。」とペンシルバニア大学ウオートン・スクールの法律学Werbach教授は前掲のWSJ(May 4,2004)紙で指摘している。彼は、既存の電話及びケーブル会社が、彼らのネットワーク上で他事業者がIP電話を提供することを困難にするのではないかと困惑している。

 電話会社は、彼らのビジネスの多くの点で長年続いている規制の緩和を求めて今後もロビー活動を続けていくだろうが、その中でベライゾンがとくに重視しているのは、「新たな闘いは、他のあらゆる競争的技術と公平にプレイできる場(level playing field)を確保する」ことであるという。しかし、技術の変化によって、恐らくケーブル・オペレーター以外にもベル電話会社と競争する多くの企業が出現するだろう。音声とデータのデジタル・ネットワーク上での統合とIP電話の出現は、マイクロソフト、ソニー、AOL、およびアースリンクなどの一連のニュー・プレイヤーを通信産業に惹きつけている。彼らの市場参入こそ将来の深遠な変化を示唆している、と前掲のWSJ(May 4,2004)紙は書いている。

 通信産業はバブルとその崩壊を経て、今は統合の過程にある。そして、通信産業はより活力に溢れ、急に多くの企業の関心を集めるようになった。それらは通信事業に魅力を感じているメディア、エンターティンメント、ハードウェア及びソフトウェアなどの企業である。しかも、これらの技術変化はさらなる統合に拍車を掛けるのを助けるだろう。今まで競争ができなかった分野でも新技術なら競争が可能になり、50%以下の価格で競争製品を提供できるようになれば、消費者と市場を動かすことが出来る、という投資調査会社のCEOの発言を前掲のWSJ紙(May 4,2004)は引用して結論にしている。

■都市地域で競争激化が予想される家庭向け市場

 米国の家庭(消費者)向けサービス市場では、バンドル化が最大の課題である。ベライゾン・コミュニケーションズはようやくMCIとの合併をまとめたが、同時に誰が最も魅力的な通信サービスのパッケージを提供するかを決める闘いが始っている。ケーブルテレビ会社は、彼らがすでに提供しているテレビとインターネットのパッケージに、電話サービスを追加する競争レースを続けている。米ケーブルテレビ第6位のケーブルビジョン・システムズは、電話、テレビ及び高速インターネットの各サービスをバンドルして最初の年は90ドルで提供するという衝撃的なサービスで得点をあげている。ケーブルテレビ最大手のコムキャストは、電話と高速インターネットのパッケージを月額69ドルで提供することを計画している(注)

(注)米国の家庭向け通信サービスのシェア(収入ベース、2004年第4四半期)ベライゾン/MCI27%、SBC/AT&T 27% 、ベルサウス 11%、その他(クエストとスプリントを含む) 35%

 電話会社も携帯電話、インターネット及び有線電話のバンドル・サービスを提供し巻き返しを図っている。その極めつけは、現在敷設中の光ファイバーを利用して、今年中にもテレビ放送を追加しようと計画していることである。ベライゾンは、利用無制限の地域及び長距離通話のパッケージを月額49.95ドルで、高速インターネット接続を月額29.95ドルで提供している。同社はまた、衛星テレビ・プロバイダのディレクTVグループとも提携している。
しかし、全ての家庭向けサービスの利用者が、均等に利益を享受できるわけではない。まったく利益にありつかない利用者も存在するかもしれない。いくつかの消費者活動グループは、家庭向けサービスの利用者のうちバンドル化で利益を享受できるのは、電話サービスで最低月額50〜60ドルを支出し、携帯電話と高速インターネットを利用している場合に限られると主張している(注)

(注)What phone company deals mean for U.S. consumers(The Wall Street Journal /May 4,2005)

 また、米国のかなり広いエリア、特に地方では、ケーブルテレビ会社の提供する電話サービスのオプションを利用することは、今後数年間は困難である。人口密度が低い地域を営業区域にもつアデルフィア・グループやチャーター・コミュニケーションズは参入する時期は遅いが、最終的には電話に参入する計画をたてている。
最近、自社の最も大きな競争相手(長距離電話会社)を買収することで合意した2大ベル電話会社は、今後は彼らの競争相手であるケーブルテレビ会社に関心を集中させ反撃できるようになる。ベル電話会社は、2000年から2004年にかけて電話加入数約2,800万、18%を失っている。この大部分は携帯電話だけの利用でよいとする人たちやインターネット接続に使っていた2台目の電話をケーブル・モデムやDSLに切り替えた人たちであるが、今後はケーブルテレビなどを利用するIP電話への移行が増加するだろう。現在およそ15%の家庭で既存の地域電話会社以外(競争的地域電話会社)の固定電話を利用している。その中で、ケーブルテレビ会社の提供する固定電話は約300万である(FCC調べ)。
大手のケーブルテレビ会社は、電話サービスの提供に積極的である。現時点で2,500万以上の家庭に電話サービスの提供可能な設備を整備済みであり、2005年末には4,000万に増加するとみられている。最も積極的なのはタイム・ワーナー・ケーブルとケーブルビジョンであり、それらの営業区域の大部分は大都市地域及び人口密度の高いその郊外である。

 最大手のコムキャスト(加入数2,100万)は営業区域内の4,000万世帯のすべてに、2006年末までにIP電話サービスを提供できる設備を整備する計画である。しかし、その加入数のほとんどはシカゴ、ボストン、サンフランシスコ及びフィラデルフィアなどの大市場にある。一方、小都市や地方をカバーするケーブルテレビ会社では、電話サービスを提供する計画がないか、あってもサービス提供地域の一部にとどまる見通しである。

 ケーブル及び電話会社のほかに、家庭向けサービスの利用者はボネージのようなハイ・テク企業のサービスを選択することもできる。ボネージのIP電話サービスは月額24.99ドルで米国内及びカナダへの無制限の通話ができ、同社は既に64万の顧客と契約を結んでいる。ただし、同社のIP電話を利用できるのは、高速インターネット接続サービスに加入している利用者に限られ、通常そのためには別に月額25〜45ドルが必要である。ボネージの提供しているIP電話サービスは、フル・スケールの緊急通話(911)が出来ないという弱点がある。ボネージはベライゾンの営業区域内では、完全に緊急通話をカバーする取り決めを近くベライゾンと締結すると発表した。また、FCCもIP電話(VoIP)に緊急通話のサポート(911及びE911)を義務づける規則制定告知を2005年5月19日に採択した。
地域電話会社はまた、無線による通話の急増という新たな競争に直面しそうな状況にある。2004年12月にスプリントはネクステルを350億ドルで買収し、無線の巨人を目指す意向を表明している。この新会社は、既存の有線電話会社と直接競争するため、Wi−Fi接続など低価格の無線技術の可能性を探るのではないかとみられている。

特別研究員 本間 雅雄

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