＜世界のニュース＞　移動通信サービス

好調なボーダフォン・ライブ！
　　　　次の一手は動画サービスか

　ボーダフォンは2003年３月26日、「ボーダフォン・ライブ！」の加入者数が100万件に達したと発表した。同サービスは2002年10月末のスタート以来順調に加入者を伸ばしており、2003年３月末までに100万件を突破することを目標に掲げていた。なお、ボーダフォン傘下である日本のＪフォンも元祖「写メール」の加入者数が１千万件の大台に迫っており、国内外でどこまで普及するか注目され

　ボーダフォン・ライブ！は、デジタルカメラ搭載の携帯端末を用いてＭＭＳやカラー写真を送受信できるのが最大の特徴。ｉモードのようにインターネットを利用することはできないが、着信メロディや待ち受け画面、ゲームのダウンロード、ニュースなどの情報閲覧が可能。これらのサービスは既に欧州10カ国で展開されており、主な国別の加入者はドイツで37.5万件以上、英国で22万件、イタリアで19万件。他にアイルランド、オランダ、スイス、ポルトガル、スペイン、ハンガリーなどでも展開している。近く現在の10カ国に加え、オーストリア、ニュージーランド、エジプトなどにもサービス提供地域を拡大する予定である。

　ボーダフォン・ライブ！は静止画像を添付したメールの送受信や各種コンテンツ・サービスにおいて好調ではあるが、ボーダフォンは更なるサービスの充実を進めている。ボーダフォン傘下であるポルトガルのテレセルは2003年２月、ボーダフォン・グループ内では一足早く、動画像のコンテンツを携帯電話から閲覧できるビデオＭＭＳの提供を開始した。同サービスは、対応端末からアクセスし動画コンテンツをダウンロードしたりメールで受取ったりすることができる。「ライブ！ＴＶ」では、放送されたテレビ番組を携帯電話で楽しむこともできる。なお、同サービスは2003年３月末までキャンペーン期間としてコンテンツ料無しで提供されていたが、現在は通信料の他に１コンテンツあたり30ユーロセント（約39円）かかる。また、ボーダフォン・スウェーデンでは同様のビデオＭＭＳに加えて、インスタント・メッセージング（ＩＭ）やフォトアルバム・サービスの提供を予定している。フォトアルバム・サービスでは携帯電話で撮影した画像をネットワーク上に保存することが可能で、友人や知人などと共有することもできる。同様のサービスは既に、日本で傘下のＪフォンが「写メール・アルバム」として提供しており、このような日本型サービスが続々と輸出されている。次のサービスとしては、Ｊフォンが既に「ムービー写メール」として提供しているビデオ・メッセージング・サービスの導入が期待される。

　欧州では日本に比べ携帯電話の多機能化が遅れていたが、ＧＰＲＳ対応端末の普及やＭＭＳの登場でデータ通信への関心が高まっている。中でもボーダフォン・ライブ！は、専用端末からコンテンツまで一貫して提供する「ｉモード・モデル」として周到な準備の上で開始された、欧州オペレーター初の本格的なサービスで、ＷＡＰで一度つまずいた同市場を盛上げている。また、同様のサービスを提供しているオレンジが2003年１月末にデジカメ付きの携帯端末を33万台販売したと発表するなど、欧州でもカメラ付携帯電話ブームに一気に火がつきつきそうな兆しである。