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世界の移動・パーソナル通信T&S

2002年7月号(通巻160号)

世界のニュース

 市場・企業

■米国を中心に沸き立つ「ホットスポット」と
 セルラー・ネットワークの融合の動き

 2001年来、米国で急速に普及したホットスポットであるが、同年10月には、業界の先駆け的な存在であったモバイルスター社が、経営危機に陥りサービス停止を余儀なくされるなど、商業サービスとしての優位性には不透明感があった。しかし、2002年に入り、ボインゴ社やウェイポート社など、自前でアクセスポイントを持たず、提携先のホットスポット間のローミング・サービスを安価に提供する「WISP(ワイヤレスISP)」が登場したことにより、ホットスポット・サービスが、「ローミング」をキーワードに新たな展開を見せている。 こうした中、ホットスポットとセルラー・ネットワークをローミングし、より広域な無線ネットワーク・サービス提供に向けた新たな試みが始まった。
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■ボーダフォンとNTTドコモの2001年度決算を比較する

 NTTドコモ及びボーダフォン・グループが、2002年5月8日、28日に2001年度(2001.4.1〜2002.3.31)の業績を発表した。表1、2、3に主要財務指標などの比較を示すが、これら並びに報告書の内容から若干の解説を行う。なお、ボーダフォン・グループは海外事業の占める割合が大きいが、法令ベースの財務諸表にはベライゾン・ワイヤレスなど影響の大きい事業が含まれておらず、一方ドイツのアルコアなど固定通信事業が含まれている。このため、携帯電話事業の実態を把握するため、各出資会社に対する株式保有率で配賦した「比例配分ベースの非公式指標」により説明を補完している。
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■LGテレコム、キャラクターを使った戦略

 世界初のcdma2000 1xサービス導入を遂げた韓国で大変ユニークな携帯電話が販売されている。Sewon社のcdma2000 1x対応携帯電話、「CPD511」である(図1)。筐体の正面とアンテナ部分やボタンに、かわいらしいキャラクターがデザインされている。あたかも女子高生がカスタマイズした携帯電話のようだが、最初からこのようなキャラクターがデザインされて販売されている。日本では、1998年にドラえもんをデザインしたPHS端末「ドラえホン」がNTTパーソナルから発売された。しかし、このPHS端末は既存の人気漫画のキャラクターを採用している一方、「CPD511」は携帯電話事業者が独自に作り出したキャラクターであり、韓国ではこのキャラクターが若年層の間でブームとなったという点が興味深い。このキャラクターはLGテレコムが作り出したもので…。
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■農とワイヤレスの出会い 〜日米の農業にワイヤレス化の兆し〜

 第1次産業とも言われる農業は、一見すると、典型的な第3次産業であるワイヤレス通信事業とあまり関係が無いように感じられる。都市生活者の我々からすると、農業のトラディショナルな側面を想像しこそすれ、食糧生産の現場で起きているIT化の流れなど知る由も無い。その農業が今、ワイヤレス・アプリケーションを受け入れ、静かに変わろうとしている。米カリフォルニア州は、世界一の生産性を誇る農業地帯と言われ、350種類以上の作物の生産高は、年間190億ドルにもおよぶ。同州は同時に、ワイヤレス技術を含むIT技術の世界一の集積地であるシリコン・バレーを擁する。
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