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Global Perspective 2014
2014年7月1日掲載

恐怖の「自転車スマホ」で高校生を書類送検

(株)情報通信総合研究所
グローバル研究グループ
副主任研究員 佐藤 仁
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2014年5月に富山県の高校生がスマートフォンの操作をしながら、自転車に乗っており、81歳の女性に衝突して相手に大けがを負わせる事故があった。そのニュースを2014年6月24日のNHKで報じていたので、以下に引用しておく(※1)。

(下線筆者)

「自転車スマホで事故 書類送検」(NHK富山 2014年6月24日)

高岡市の高校3年生の男子生徒が5月、スマートフォンを操作しながら自転車に乗り、81歳の女性と衝突して大けがをさせたとして、重過失傷害の疑いで書類送検されました。

書類送検されたのは、高岡市に住む高校3年生の男子生徒(17)です。警察によりますと、生徒は、5月8日の朝7時半ごろ、自宅近くの市道でスマートフォンでゲームをしながら自転車に乗っていて、前を歩いていた81歳の女性に衝突して転倒させ、あごや右手の指の骨を折る大けがをさせたとして、重過失障害の疑いが持たれています。現場は幅6メートルの見通しのよい直線の道路で、調べに対し生徒は「ゲームに熱中にしていて前をよく見ていなかった」と話しているということです。

走る凶器「自転車スマホ」

自転車に乗りながらスマートフォンを操作しており、注意散漫になってしまい、老女に気が付かなかったのであろう。「歩きスマホ」時の視野は通常時に比べて1/20 になってしまう。「歩きスマホ」は駅や道路など多くの場所で注意喚起のポスターやアナウンスがある。また、通信事業者も対策アプリを提供している(「安心・安全」を推進する通信事業者が提供する「歩きスマホ」対策アプリ 〜それでも減らない「歩きスマホ」)。

「自転車スマホ」はさらに危険である。自らが事故に逢う危険性だけでなく、今回のように相手に大怪我を負わせてしまうリスクがある。「走る凶器」である。 神奈川県では平成23年5月1日から、神奈川県道路交通法施行細則を一部改正し、

  • 「携帯電話用装置を手で保持して通話し、若しくは操作し、又は画像表示用装置に表示された画像を注視しながら自転車を運転しないこと」を追加した(※2)。

つまり自転車運転時のスマートフォンや携帯電話の利用禁止である。その背景として、「片手運転で操作すると、ふらつくおそれがある」、「会話に夢中になったり、メールやインターネットなど画面を注視することにより、周囲への注意力が散漫になる」ことをあげている。
また、東京都でも「東京都道路交通規則」第8条(4)において、

  • 「自転車を運転するときは、携帯電話用装置を手で保持して通話し、又は画像表示用装置に表示された画像を注視しないこと。」と定めている(※3)。

「自転車スマホ」は非常に危険である。「自転車スマホ」による事故で自分や相手の人生を大きく狂わせてしまう恐れがある。自転車に乗っている時くらいはスマートフォンや携帯電話を忘れて、自転車の運転に集中しよう。自転車走行中に急ぎの電話、メールがあるならば、ちょっと立ち止まって安全な場所でスマートフォン、携帯電話の操作を行うことを心がけよう。

*本情報は2014年6月25日時点のものである。

※1 「自転車スマホで事故 書類送検」(NHK富山 2014年6月24日)
http://www.nhk.or.jp/lnews/toyama/3065470471.html?t=1403661339908

※2 神奈川県警察「神奈川県道路交通法施行細則の一部改正について」
http://www.police.pref.kanagawa.jp/mes/mesf0261.htm

※3 東京都道路交通規則
http://www.reiki.metro.tokyo.jp/reiki_honbun/g1012199001.html

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