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ICTエコノミーの今
2014年9月30日掲載

ICT関連分野の市場動向−2014年7月の動向

(株)情報通信総合研究所
マーケティング・ソリューション研究グループ
研究員 鷲尾 哲
鷲尾の顔写真

2014年7月のICT関連分野の市場動向について、経済産業省が毎月公表している「特定サービス産業動態統計調査」と「生産動態統計調査」を元に整理した。

図表1はICT関連市場を法人向けサービス(売上高)、消費者向けコンテンツ(売上高)、プラットフォーム(売上高)、端末(生産額)の4つのレイヤに大別して動向を表したものである。これを見ると、すべてのレイヤで6月と比較して増加幅縮小または減少幅拡大と減少傾向にあることが分かる。

(図表1)ICT関連分野の市場動向(前年同月比)

(図表1)ICT関連分野の市場動向(前年同月比)

各レイヤの内訳をみると消費者向けコンテンツでは、「ゲームソフト」が6月の+1.5%(前年同月比)から7月に−22.7%(同)、端末では、「PC等コンピュータ及び関連装置等」が6月の+5.3%(同)から7月に−10.2%(同)とそれぞれ増加から二桁の減少に転じた。ただ、ゲームソフトについては、人気ソフトの有無などの影響が大きいため必ずしも消費が弱まっているとは言い切れない。

 そこで今回は、「PC等コンピュータ及び関連装置等」について詳しく見てみたい。まず品目別構成比率(売上高ベース)をまとめると図表2のとおりである。比率については、毎月変動するため、今年1月から7月までの平均を示している。これを見ると、およそ半分をパーソナルコンピュータが占め、汎用コンピュータ(メインフレーム)とミッドレンジコンピュータ(汎用コンピュータとパーソナルコンピュータの中間的なもの)を加えたコンピュータ全てだとおよそ6割となっている。つまり、「PC等コンピュータ及び関連装置等」の動向を把握するためにはコンピュータの生産動向を知ることが重要である。

(図表2)PC等コンピュータ及び関連装置等の品目別構成比率(売上高ベース)

(図表2)PC等コンピュータ及び関連装置等の品目別構成比率(売上高ベース)

図表3はパーソナルコンピュータ(PC)とミッドレンジコンピュータの今年1月からの生産額(前年同月比)を表したものである。(汎用コンピュータは変動が大きいので今回は除いた。)ミッドレンジコンピュータは7月になり増加に転じたが、それ以外は減少となっており、特にノート型PCが大きく減少している。パーソナルコンピュータはWindows XPサポート終了と消費増税の影響もあり、昨年7月から今年4月まで二桁の増加となっていたことから、今後しばらく減少が続きそうである。そのため、「PC等コンピュータ及び関連装置等」も引き続き減少傾向が予想される。

(図表3)コンピュータの生産動向(売上高ベース、前年同月比)

(図表3)コンピュータの生産動向(売上高ベース、前年同月比)
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